去年の合宿は、私達2年がしきってやった。


吹奏楽コンクールに出たわけではないけれど、夏休みに先生が言い出して合宿だけはしたのだ。


人数は少なかったけど、弁当の手配から、朝ご飯、スケジュール通りの進行、お風呂まで。

色々とやることはあって、最後は大量のごみ(夏なので強力な異臭を放つ)の処理まで本当に疲れた。


そこそこ楽しいこともあったが。


「去年は気楽で楽しかったよね。」

「合宿って言っても自由時間多かったしね。」

ジャズは合奏でまだ出来てないところや、楽器をより響かせて鳴らすこととか、色々知ることが多かった。


「4階からの夜景も綺麗だったしね。」

暗くなってからの練習はめったにないが、音楽室の電気を消すと那覇市の街明かりが浮かび上がってそれは幻想的だ。

「夜の外階段は暗すぎて怖いけど。」

「あぁ~みんなワーワー叫んで走り出したからびっくりした。」

「あれはうけた。」

「そうそう。でもあんたも走ってたじゃん。」

「そりゃあ、あんな所で一人残されたら怖いって!」

「そういえばなんでいきなり走ったんだっけ?」

「裏のお墓にさ、なんか見えたんじゃなかったっけ?」

「え~暗かったからだけじゃないの?!」

「やば、また怖くなってきた。」



とにかく、今年合宿をやるとすれば、去年のような呑気さではいかないだろう。