褒められたことで言えば、清花先輩と香奈恵先輩からも琴子と二人褒められたことがある。


それは、合奏終了後の先輩達の会話から始まった。


「は~、今日の合奏もサックスとホルン、大変そうだったね。」


私達はパート別の練習で、合奏で顧問から注意されたことを直すため、フルート4人で吹いていた。


「うん、しごかれてたね。後輩がミスするのは仕方ないけど、先輩の責任にもなるし。」


「私達もいつ、注意されるかわからないよね。

…でもフルートって今まで注意されたことあったっけ?」


「そう言われてみれば…覚えがない。」


「うちらすごくない?」


「うん、フルートの一年も注意されたことないしね。」


「琴子ちゃん、楓ちゃん。あなた達は素晴らしいわ。」


いきなりパチパチと拍手しだす、先輩達。


 それは、フルートが目立たないからじゃないでしょうか?

ま、先輩達に迷惑かけてないならいいや。


先輩達の不思議なノリに戸惑いながらも、照れ笑いをする私達。




あの時も嬉しかったけど、今回のとはやはり違った。




何にせよ、褒められるのは励みになる。