いよいよ明日がコンクールという日。


「今日は早めに終わるからしっかり準備してよく寝るように。」


練習も早々に切り上げて私達がしたことは、


「先輩、あのこれ、明日のために作りました。」


「わあ!可愛い~ありがとう!
あ、私も。はい!」

「ありがとうございます。」


恒例の金賞祈願の贈り物交換が繰り広げられている。


定番は鶴。あとはシュウマイだったりいろんな形の折り紙を連ねたもの。


「はい、これ!」

小さいけど可愛いラッピングがされたものを配り歩く先輩。


私も早くあげなきゃ!
と、聡美先輩を探してるといたいた。


「聡美先輩!あのこれ、受け取って下さい。」

って告白めいたセリフをはく。


「わ、すごいたくさん作ったね!大変だったでしょう?ありがとう!」

私のは当たり障りのない鶴。
でも、千羽鶴なみの多さで少々うざい。


「あ、私もあるのまずはこれと…」

鶴やシュウマイの可愛い折り紙。

「右腕出して。」

「?はい。」

突然の要求にとりあえず腕を出す。

 あ、これ…


先輩は一本に編んだプロミスリングを取り出し、私の腕に結んでくれた。


「あまり上手じゃないんだけど。」

ピンクと白の混ざった細身のプロミスリング。


「そんなことないです。可愛い…先輩が編んでくれたんですか?」


「うん、前、本屋で楓ちゃんに選んでもらったでしょ。」


「可愛いです!嬉しい。ありがとうございます!」

 こんな私のために…。

「そう言って貰えると嬉しい。やっぱりあの時選んでもらって正解だったな。
明日頑張ろうね!」


「はい!」


私は嬉しくてプロミスリングを見てはいつまでも笑みを浮かべてた。


 は!他の先輩が帰らないうちに配らないと!

友人のも作ってあるので、それから私も走り回った。