風を身体で感じながら。

僕はさっきまで一緒にいた、レイジのことを想っていた。


自転車の後ろの席。

レイジの背中。

吹き抜けていく、風。


僕がレイジと出逢ったのは。

小学三年生のときのことだった。

地味で目立たない僕と。

クラスで人気者のレイジ。

どこで接点があったのか。

僕達二人は不思議と、とても気が合った。

小学三年生から、中学二年生の今まで。

同じクラスだということも、大きな要因なのかもしれない。


そして気がつけば。

僕は当然のように、レイジのことを好きになっていた。