「標的はただいま校門を出たところです」


「了解。そのまま尾行を続行。Nはそのままマックの前で待機」


ケータイから洩れる声に

「ねえ千穂美ちゃん、ホントにやるの?」

私はマックの前でソワソワしながら口もとを覆って言った。

Nは私‘菜月’の事である。

ただいまザ・恋愛作戦実行中なのだ。

楓ちゃんがどうやってかは分からないけど、
私の好きな人の名前、そしてその他の一般的な情報を手に入れてくれた。

笑顔で「その子、樹くんって言うんだってー!」って笑顔で言った楓ちゃんが恐ろしと感じてしまったのは内緒だ。




「やるに決まってるでしょ。あと千穂美じゃなくてTって呼ぶって
打ち合わせしたじゃない!

これもあなたのためにやってることなんだから、ほらシャキっとする!」


だからって何でどっかの探偵みたいにしなくちゃいけないんだろ・・・


「あの樹くんは下校の時、必ずそのマックの前を通ることは既に調査済みよ。

樹くんが来た瞬間、引き止めて告白するのよ!」

千穂美いや、Tは話ていくうちに興奮してきたのか
声のトーンが高くなっていった。



「分かったわね!!」


「うぅ・・・わかったよぅ」

Tの勢いにしぶしぶ頷いた。



「標的がマックまで五分前です」

楓が一人冷静な声で報告してきた。


あわわぁ~

どうしよう~


慌てて私は身なりを整えて前を見るとそこには
もう樹くんがいた。