「そーいやさ、樹。

菜月ちゃんとはもうデートしたの?」

学校の帰りに寄ったマックで

コーラのストローをくわえたまま、ヒロが言った。


「なんで?まだだよ」

僕もテリヤキバーガーを飲み込みながら言った。



「は?え?


コクられてもう一週間たったよな。

それヤバくねーか?」

「え、ヤバいのか?」

僕はテリヤキバーガーを食べるのも忘れて
ポカーンとヒロを見つめた。


「それは不味いだろ。

フツーは付き合ったら、一週間以内にはデートして、
一ヶ月以内にキスに持ち込んで、それからはムフフだよ」


ヒロのムフフと言ったところに僕はゴクリと唾を飲み込んだ。


「だから今のお前の現状はかなりヤバいね」


「でも、デート
とか菜月さんに誘われないしなァ」

僕はポリポリ頭を掻いた。


「あまい!あまーい!!」

ヒロは立ち上がって、叫びながら
テーブルを叩いた。


こっちに身をのりだしてくるモンだから、
僕は胸をそらした。



てか、まわりの人ごみんなこっちを
注目しているから、かなりハズい。



「デートとはな男が誘うモンなんだよ!!

だから菜月ちゃんも今か今か、と

お前の誘いをまってたんだ。

それなのにお前という奴はァ!!」


そうっだったのか・・・・・


「てか、今から菜月ちゃんに
デートの申し込みをしろ」


「わ、わたった」

僕は半分、ヒロの迫力に押されながら、
菜月さんにメールしたのだった。