夜中、山崎は静かに部屋へ戻ってきた。



もう寝てしもおたか・・・。まぁ、当たり前やな・・・。



布団を頭まで被った凛を暫く見つめ、着替えを済ませると顔を洗うために部屋を出て行こうとする。



ぐいっ・・・・



けれど誰か着流しの裾を掴まれ動く事ができなくなった。




「山内?どないした?」



布団から手だけをだし山崎の着物の裾を握り締める凛を見つめる。





けれど凛は何も言わない。





「はぁ・・・」




山崎は小さく息を吐くとしゃがみ込み凛の手を握る。




「どないした?具合悪いんか?」



優しく問い掛ける。



「・・・きたに・・・」



小さな声で何かを呟いた凛。



「どないした?」



「昼間・・・・沖田に好きだと言われた・・・。」