紅い月

芹沢は私の言った言葉に気を良くして大声で笑う。





「でも、そろそろここも暑いですね。どうです?屯所にそろそろ戻ってお酒でも飲みませんか?お酌致します。」





私はそう言ってにっこり笑う。





「おぉ、それはいいな。山内!!屯所へ戻るぞ。」





芹沢はそう言うと屋根から降りる。




私もそれに続こうとしたその時・・・





ぶわぁっ






いきなり強い風が吹き、背中に火の粉を被った。





「っ・・・」






「山内、どうした?」






「いいえ、なんでもありません。行きましょう。」






「うむ、そうしよう。」