「…はい」 『今まだ空港か?』 「ええ。調度帰る所なの。あなたからの電話なんて珍しいじゃない。どうかしたの?」 『明日…夜勤の仕事が入ってな。今から会えるか?』 「ええ。大丈夫だけど」 『なら、ロビー横の駐車場で待ってる』 そう彼が囁くと電話が切れた。ロビー横の駐車場……って事は、もしかして…もう、そこに居るの? 「朱里。もしかしてこれからデート?」 「デートって程のものじゃないけど……そうなるのかしら」 少し急ぎ足でエレベーターに乗り一階のロビーへと着くと駐車場へと向かった。