もう一度ため息をついた私にイラついたのか、ケンちゃんは漫画を閉じて立ち上がる。


「兄貴がまだ帰って来る時間じゃないのはわかってるだろ?部活だから仕方ないんじゃねーの?」


「え~帰って来ないから悩んでるんじゃないよ~?そんな駄々っ子みたいな悩みじゃないんだから」


ケンちゃんはめんどくさそうに頭をかきながら、居間から出ていった。


「…だったら俺んちで悩むのやめろよ」


って捨て台詞を残して。

冷たい…。


「兄弟揃って私に冷たいんだから…」


私はそう呟いて時計を見る。


もう少しで帰ってくる、私の幼なじみ。


私の…彼氏。




に、ついこないだなったはずなんだけど。


あれは夢だったのかも知れないと最近、本気で考えてる。