「はぁ~…」


ため息をついた私に、向かい側のソファで漫画を読んでいた幼なじみが心底嫌そうな顔をした。


「うるせぇな。さっきからため息ばっかりつくんじゃねーよ」


幼なじみのケンちゃんは、私のひとつ年下の中学2年。


「冷たいなぁ~。幼なじみがこんなに悩んでるっていうのに」


私が言い返すと、ケンちゃんは漫画から目を離さずに答える。


「…加奈の悩みなんてたいしたことないんだろ?大体想像がつくって」


いつのまにこんなに生意気になったのかしら。


昔はあんなにかわいかったのに。


……チビで。



こんなこと言ったらまたしばらく口利いてもらえないから、言わないけど。


反抗期ってめんどくさいなぁ。