加奈は微かに震えながら、拳をにぎりしめる。


「…一生に一度の最大のチャンスだったのに…」


そして部屋を飛び出して行った。


「…ケンちゃんの馬鹿!!一生恨んでやるから…!!」


ケンタの、「うるせぇ!知るかよ!」って叫ぶ声が聞こえる。



俺は覚悟を決めて呟いた。


「…アイツにあんな風に告られて、落ちない男がいるなら見てみてぇよ…」


これが俺達の、


恋人同士の始まり…。



無駄に可愛い幼なじみなんてもつもんじゃない。


でもアイツがそばにいないと駄目なんだから、


「仕方ないよな…」


そう呟いて、笑った。


【翔太編・END】


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