ケンタは引きつった顔をしながら、


「………あ、ゴメン」


と呟いて、ドアを閉めた。


俺は我に返って加奈を離し、椅子に座って、大きく深呼吸した。

やばかった…俺、何しようとしてた?


加奈は真っ赤な顔をしながら、

「けっケンちゃん…タイミング悪い…!」


そして、俺の顔を見る。

「…翔ちゃん?続きは…?」

「……また今度な」


「え!?どうしてよ!?」


「俺、風邪引いてるから」