ずっと嘘ついてて、 加奈を傷つけて、 ずっと幼なじみのままでいる為に…お前を突き放していた。 逃げてばかりの俺でごめんな… 本当は俺が幼なじみの関係に一番こだわり続けてたんだ。 「…キスしても、翔ちゃんを諦めなくていい?」 「…諦めんの?」 「…そんなの、無理…」 加奈が目を閉じて、 唇が触れそうになった瞬間、 突然ドアが開いた。 「兄貴? 母さんが食いたいもんないかって聞いてっけど…」 こんな場面を生意気な弟に見られるなんて、 悪夢だ。