時間が経つのは本当にあっという間だ。



先を見ると長いけど、過去を振り返ると時の早さを実感する。


私は自分の席から今手元に来た紙を眺め、頭を抱えた。



『進路希望調査表』



教壇に立つ担任の先生が何やら説明するけどそんな話は右から左へ。



進路…か。



もうそんな時期なんだよね。



私が頭を悩ますのは自分の進路ではない。



自分の来のことなんて前々からある程度は考えてきたし、親にも相談してきた。




それなりに勉強もしてきた私は進学組だ。



けど、私が頭を悩ます理由が他にある。




チラッと横目で隣の席の男を



やっぱり…。




紙を見たまま固まっている。