紅葉さんは自分の名前が嫌だったのかもしれない。



それが寂しい時期の名前だから何なのかは分からないけど、「さくら」が良かったみたいだ。



俺には、紅葉は寂しくない、十分綺麗な名前だと感じたのに。



だから、最後に言った。



「さくらって名前も良いけど俺は紅葉も綺麗で可愛くて好きですよ」って。



多分彼女は、その言葉に含まれるもう1つの意味に気づいてはいないけどそれでもいい。



俺は、桜も紅葉も好きだから。





回想【4】


end.




(俺と忍って切っても切れない関係だよな)
(聡平……何かキモい)