「聡平くん。よろしくね」 紅葉さんとの出会いは、すごくありきたりだった。 「いーからねーちゃんは向こう行ってて」 「はいはい」 高校に入学して仲良くなった忍の家へ遊びに行ったときに忍のお姉さんとして紹介された。 友達の姉弟。 そんなありきたりのシュチエーションだった。 だから第一印象は『忍のお姉さん』ってだけで全く気にもとめない存在だった。 そんな俺が彼女と仲良くなる出来事が起きたのはそれから数日後のことだった。