「別に理由なんてないよ」



淡々と答える口調に似合わずゲームでは物凄いスピードで車を走らせている。



器用だなぁ。



話してても指先はちゃんと動いてる。



「裕城はもっと頭いいと思ってた」



私もコントローラーを手に取る。



「嫌いなら嫌いで私達が納得する理由があって、それをちゃんと説明してくれるって思ってた。意外に感情的」



私も次のレースから参加した。



裕城にはゲームで勝てたこと無いけど何となく加わってみた。



私も慣れた手つきで車を走らせる。



「たまにはさ、俺にも説明できないわがままさせてよ」



そう、裕城が笑って言ったように聞こえたけど、レースに夢中でよく分からなくなった。






回想
(つまり2人は初めから仲悪かった)
(ケンカ売ってきたのはあいつからだから)



end.