「ってことがね。昨日あった。
すごい楽しかった」
『へー』
電話の向こうから拗ねたような返事が返ってくる。
ふふっ。可愛い。
「忍も来たかった?」
『別に……。っつか俺が心配してたのに、何楽しそうなことしてんだよ』
「心配してくれてたんだ」
『ちげっ……そんなんじゃねーし』
慌てる機会越しの声。
変わんないな、忍も。
そういうすぐ照れるとこ、出会ったときからさ。
「じゃあ、今度はまぜてあげる」
『だから羨ましくなんか………』
「明日は会えるから」
『……』
「学校いけるからね」
『……ああ』
「じゃあ、切るね。お休み」
『ああ……
会えるの楽しみにしてる』
ガシャンッ
ツーツーツーツー
電話を見つめてしまう。
忍が……楽しみっていった?
私に会うのがって意味だよね。
少ししたらおかしくて吹き出してしまった。
電話だから?
会えなかったから?
どっちでも、こんな可愛い忍の声が聞けるなんて、
電話もインフルエンザも悪くないかな。
インフルエンザ
fin.
(……早く、明日になればいい)
(私もかなり楽しみみたい)

