「やっぱり聡平の方がお兄ちゃんだね」



「は?」



「裕城の方が子供ってこと」




一見、聡平の方が落ち着きなくて頼りないように見えるけど、意外と寛大だし周りをよく見てるんだよね。



裕城は逆で、落ち着いてしっかりしてるけど、ちょっとしたことでも譲らなかったり子供っぽいとこ多いんだよね。



って、子供っぽいとかいったらマズかったかな。



ちょっと不機嫌になったんじゃないかと不安になって裕城の方を向いた。



だけど彼の表情は想像とは真逆で嬉しそうに顔を綻ばせていた。




「やっぱり、紗苗はちゃんと分かってるな。
この時から一番」



そう言ってサルの人形の頭を撫でた裕城をやっぱり子供っぽくて可愛いなと思ってしまった。




私と双子が兄弟だったら絶対裕城が末っ子で、私が弟のように裕城を見てることは当分は内緒だ。



だって、頑固な裕城は自分がお兄ちゃんだと言い張るに決まってるから。



やっぱり私が1歩引くしかないよね。



なんて、上から目線で見ていることも裕城には内緒。






End.




(そういう意味では子供だから本当に王子様かもね)
(紗苗の王子にならなってもいいかな)