今日も洋介はあたしを学校の近くまで送った。
家に忘れ物をした事に気づき急いでバイクで戻って行った。


そしてメールが届いた。

「今日も帰り俺の家に来いよ。」


あたしは直也と付き合ってるのに、洋介とこんな関係になって……最低だ。


あたしはけじめをつけたくて
授業中にずっと考えていた。




3限の授業中に携帯のバイブが鳴った。

洋介の弟のはじめ君からの着信だった。

困ったな…
授業中なのに…
はじめ君も授業中のはずなのに


周りがうるさいから電話に出ても先生気がつかないよね。


「もしもし…はじめ君?どうしたの?」

はじめ君の声はいつもと違って、慌てているようだった。

「愛梨さん…兄貴が……」


はじめ君の言葉にあたしはイスから立ち上がった。

驚いた先生が何か言ってるみたいだけどよくわからない。

「…具合が悪いので…帰ります。」

あたしはそう言い残し、重い足どりで教室を後にした。

玄関から出ると校門にはじめ君がバイクで迎えに来ていた。

「早く乗ってください。」
あたしはすぐにバイクの後ろに乗った。

あたし達が向かった先は





病院だった。