歯を食いしばり、涙をこらえた





瑠璃華の母親は俺に近づき肩を支えた





「ありがとうね。・・・瑠璃華と出会ってくれてありがとう。幸せをたくさんありがとう。」





ありがとう
それを言いたいのは俺の方なのに





言葉を出したらまた泣いてしまいそうでぐっと堪えた





「あと・・・これ、」




そういって差し出された一冊のスケッチブック




「俺に?」






「これね、瑠璃華に頼まれたのよ。この日がきたら恭平くんに渡してくれって。」





瑠璃華の母親は俺の手をとり、スケッチブックを握らせた






俺はそれをしっかりと持ち直し、「ありがとうございます」と掠れた声で伝えた