夜みんなは花火を
していたが、
私は部屋で休んでいた。

海での出来事を
思い出していた。

「俺の傍から離れるな。」

龍矢の言った言葉が
私の頭の中を駆け巡る。

するとドアが鳴った。
入ってきたのは智子さん。

「どうしたの?」

「うんん。」

「久しぶりに来たわね。
いつも龍矢が寂しがって
いたわよ。」

私は驚いて智子さんを
見ると笑われてしまった。

「そんな所香澄に
そっくりだね。」

「分からないのです。
龍矢のことが。」

「好きになった可能性も
あることか。
香澄と同じだね。」

「ママと?」

「素直になれない所。
意地を張って
絶対に好きにならない。」

智子さんの言葉に
頷いてしまった。

「焦る年齢でも無い。
けど香澄も先生も
お互い心が通じ合って
好きになった。

龍矢と心が通じ合わないと
香織が一杯涙を
流すことになるよ。

けど龍矢だったら
香織の全てを受け入れる。
聡史さんに似てね。」

私は頷いたが意味が
あまり分からなかった。

けど優子さんも智子さんも
同じ事を言った。

心が通じ合う。

パパとママは複雑?
だったのかな?