私は何不自由なく
育ってきた。

パパもママも兄もいる。
祖父母も元気でいる。

けどママは、
自分のパパを早くに亡くし、
私の年齢でママを亡くした。

今私がママと同じ立場
だったら私は生きて生けない
そんな感じがした。

「ねえ。ママ。
夏休みママの教室
私も手伝うね。」

「ありがとう。
けど香織は自分の
したい事をやりなさい。」

「うん。」

私はまだ目標は持って
いないけど、
いずれは何かを見つけたい。

「そうだ。
今度の休み、みんなで
海に行くからね。」

「海って?」

「昔よく行ったでしょう。」

「ええ!!!」

私の出した声が響いた。