「香織。今日暇?」

「何で?」

「教室の日なの。
手伝って欲しいのよ。」

「いいよ。」

ママの教室は人気があって
予約待ちまで出ている。

昔はおばあちゃんの
明子さんが先生をして
ママは助手?みたいな
形で手伝っていた。

今はママが先生になって
お花の先生をしている。

一緒に教室に行くと
沢山の生徒さんがいた。

もちろん智子さんと
麗子さんの姿もあった。

教室が始まると
ママの顔は真剣だった。

いつもの優しいママの
顔と違って、
お花の先生の顔をしている。

麗子さんも智子さんも
真剣な眼差しで生けている。

普段の生活から想像
出来ないくらいだった。

兄も幼い時から
パパの会社に行って
パパの仕事ぶりを見ていた
かも知れない。