「龍矢はいない。
けど、みんなで育てたら
楽しいだろう。」

聡史さんの目には
涙が溜まっていた。

「宜しくお願いします。」

「香織ちゃん。
あなたは龍矢の嫁として
片岡の家に来るんだよ。」

「良いんですか?」

「龍矢も望んでいる
筈だから。」

私は本当にみんなに
大切にされて、
そして愛されていると
実感した。

龍矢。
見守っていてね。