私達は3年生になった。

みんなと同じクラスで、
担任も同じ。

「今日から進路相談を
します。」

担任の一言でみんなは、
ブーイングの嵐であった。

隼人はもちろん進学だけど、
えみりは少し悩んでいた。

「香織はどうするの?」

「私はアメリカに行く。
やっぱり、
これ以上離れるのが、
辛いんだ。」

「やっぱりね。」

「本当は今すぐでも
龍矢の傍に行きたいよ。

けど高校は卒業をする事を
条件に親は承諾してくれた。」

「私は、
隼人の支えになりたい。
何せ老舗のデパートの
跡取り息子。」

「私はえみりが無理をすると、
隼人は辛いと思う。

えみりの笑顔が無くなると、
隼人は苦しむよ。」

「そうかな?」

「そうだよ。
えみりの無償の愛が
隼人の心を変えた。」

私が言ったら、
えみりは真っ赤になって
頷いた。