「優子さん卒業したら、
聡史さんの会社に?」

「うんん。
私ねアカマルデパートに
就職するんだよ。」

アカマルデパートは、
隼人のお父さんが経営して
いる老舗のデパート。

「実はね。
お父さんに言われたの。

後を継ぐのは龍矢だし、
自分の好きな事をしろって。

正道にも言われたの。
自分の傍にいたら良いから
何をしても良いって。」

「知らなかった。」

「正道は龍矢と同じで
後を継ぐから、
経営を学んでいる。

香織ちゃん。
これから先どうするの?」

「分からない。
本当の気持ちを言えば、
今すぐアメリカに行きたい。

けど高校はきちんと
卒業したいし、
大学にも進学した方がと、
色々と考えてしまう。」

「そうなんだ。」

「はい・・。」

私の気持ちは、
バラバラだった。