「本当なのか!!」

パパの言葉に私は
頷いたら、
お兄ちゃんはビックリした。

「私。
このまま龍太郎君の婚約者に
なったほうが言いかもね。

私の記憶が戻る可能性が
あるかも知れない。」

「それは違う!!!」

お兄ちゃんが大きな声を
上げて私を怒鳴った。

「お前を救えるのは
アイツじゃない!!」

「じゃあ誰なの!!」

「龍矢だよ!!
お前が血が足りなく、
輸血をしたのは龍矢なんだよ。」

彼の名前を言われても、
名前も顔も思い出さない。

けど、
名前も顔も分からない
人の温もりだけが、
覚えている。