家に帰っても、
みんなの顔色が悪い。

「香織?
いつも学校の帰り
何処に行っているの?」

「龍太郎君の家。」

ママは私の首を見て、
触ってきた。

「毎日なの。」

「うん・・・。」

「彼に抱かれて嬉しい?」

「うんん・・。」

ママは私を優しく抱きしめて
私は大声を上げて泣いた。

程なくして私は泣きやみ
ママに聞いてみた。

「この指輪ね。
龍太郎君が私に上げたと
言っているんだけど、
本当は誰がくれたの?」

「龍矢君という子だよ。」

「龍矢君?」

「香織の彼氏だった。
去年の2月頃から、
アメリカの高校に留学した。

その指輪は香織に、
龍矢君が上げた宝物なの。」

「宝物?
さっきね龍太郎君から
婚約者として、
紹介したいと言われた。」

「婚約者!!!」

ママの大声でパパと
お兄ちゃんがやって来た。