冬休みが明けても、
私の記憶が戻らない。

一体自分の事すら、
分からない。

毎日龍太郎君の家に行って
彼に抱かれてから、
家に帰るパターンになった。

私は左手に嵌られている
指輪を見ていた。

「俺が上げた指輪、
気にいっているんだね。

今度君を俺の婚約者として
みんなに言いたいけど、
いいかな?」

「あなたの婚約者?」

「ああ。」

「私は記憶も無いし、
婚約者なんて・・・。」

「君は俺の彼女だし、
君に指輪をあげたんだよ!!」

彼の言葉に自分の体が
拒絶していた。