「結城の事か?」

反町君から言った言葉に
私は頷いた。

「悪いと思っている。
けどどうしても好きに
なれないんだよ。」

「龍矢が好き?」

私は一直線に投げつけ
反町君の反応を見た。

「ああ。」

やはり答えは合っていた。

「俺はずっと跡取り息子で
育てられてきた。

みんな俺を見るのではなく
俺の後にある財産と名前しか
興味がなかった。

けど龍矢は違った。

俺の素の部分を見せる事が
出来たんだ。」

「分かるよ。
私も同じだもん。」

「いつの間にか親友を
通り越して、
龍矢を・・・・。」

反町君の目から
涙が溢れ出した。