「ちょっと。
離してよ!!」

「お前が遅いからだ。」

喧嘩をしながら、
結局は家に着くまで
私の手を持った龍矢。

「ただいま。」

「お帰り。」

声を掛けてきたのは
おばあちゃんの明子さん。

「早かったわね。
まあ?龍矢君?
大きくなって。」

「お久しぶりです。」

深々と頭を下げる龍矢。
流石にしつけはされている。

「さあ。上がって。
太郎が待っているから。」

おばあちゃんの後を
付いていくと、
パパの姿があった。