before kiss, after kiss[短篇]

 
「そーゆーことしか考えられないぐらい、黎が好きで堪らないから」


そこで欲求と繋がるのは、ある意味正直なのか。


一緒にいてよく思うようになった。

案外、考えるってことはクダラナイ。


正直に行動して言っちゃうことも、悪くはない。



「もう少し我慢を覚えなさい」

「えー、もー我慢なんてしたくない」


頬が動いて私を押してくる。

腕は相変わらず私を締め付けて、気持ちが良いぐらい。



ひとは、想像以上にあたたかい。



「だから好きって言って? 名前呼んで?」



甘えて甘えられて、他人になんと言われようが、お互いを見失わなければ良い。


私は、きっともう離れられないから。





「好きに決まってるじゃない、彗(スイ)」



end.