【続】同居人はヤンキー君!?

「頑張って!もう少し!」


助産師さんが、私の手を握ってくれている。




あれから数時間痛みをこらえた私は、やっと分娩台にあがることが出来た。


湘やお父さんの姿はない。

湘は、立ち会い出産を希望していたけど…私が固く断った。




「うーんうーん……!」

「もう少しもう少し!」


目一杯いきむ私。



こんな姿…湘に見られたくない……


立ち会い出産を選ばなくて良かったと……頭の隅で思った。







「う‥―――ん…」


「いきむの上手よ!」




今思えば…湘と出会えたことは奇跡に近いよね?


お父さんが飲み会の帰り…終電に乗り損ねて、たまたま湘と出会って知り合いになったんでしょ?

…そんな出会い、なかなかないよ。





「ハァハァ……」

「雨水さん頑張って!」



湘が初めてうちに来たあの日から…私にとって湘はずっと特別だった。


あんなにカッコ良くて…

優しくて…

男気がある人…

今まで会ったこともなかった。