すると、おじさんは・・

タバコを灰皿にトンッと落とし、現場をじーっと見つめる。



「俺たちの仕事はさ…、自分たちが貼った壁が建物として一生残るんだ‥」


――!

一生残る・・?






「その建物が壊されない限り‥、俺達が汗みず垂らした証が、建物として残される。それってスゲェって思わないか?」


おじさんの問い掛けに、
俺はコクンと頷いた。





「‥だろ♪お前が将来、結婚して子供が産まれた時……。『ココはお父さんが作った壁なんだ』って見せてやれる‥それはステキなことだよなっ」

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