あの美貌があれば
嫁の貰い手など
両手では足りないほど
出てくるだろう。
レオン様くらいまでとは
いかなくとも
富豪の家からの申し出も
必ずあるはずだ。
そうすれば
一生働かなくても
良い生活が待っている。
だが、リザはあの年で
下働きであるメイドの仕事が
完璧に出来ている。
つまり、以前に
働いていた経験が
あるということだ。
レオン様が助けた時も
親の借金を背負って
必死に生きていた。
リザはレオン様の言うように
たくさんの苦労を
経験している。
「カイル…俺が言いたいことが
分かるだろう?」
つまり、リザは
レオン様の富を
狙うような輩では無いと
言いたいのだ。