「俺の名前はレオン
レオン・オドアケルだ」


突然、手を差し出され
私は思わず身体を
ビクッと震わせてしまった。


「警戒するな。
お前の借金の肩代わりをしたが
別に心配しなくて良い。
今は俺の家に向かっているが
お前は家にちゃんと届ける。
お金も返さなくて良い。」


「…いえ、あの……
警戒してた訳じゃ無いんです。

私の周りにはあのような
男ばかりだったので
このように扱われたことが無くて
どのように反応すれば良いか
分からなくて…//」


なんだか自分が
言ってることが
すごく恥ずかしい事のようで
照れてしまう。


でも、問題はまだ残っている。


「あと、私に帰る家はありません
親に捨てられました。
借金だけを残されて…
貴方に肩代わりしてもらって
借金はどうにかなりましたが
これからどうすれば
良いのか………」



きっと私は
あの街に帰ることは無い。


父に裏切られたと
分かった以上
あの家を捨てる。


そう決めていたが
これからどこに行くか
そんなアテなどは
どこにも無かった。





私が困っていると……


「ならば、俺の元に来るか?」


「レオン様?!」

先ほど彼の側にいた
もぅ一人の男性が
驚いたように声を出した。

けれど、彼は…レオンは
構わず続ける。