*** 『梓…?』 何言っているの? 『こんな時にふざけないで!!』 「ふざけないよ」 …何? 梓は真剣な顔をしていた。 目は真直ぐ…あたしを見ている。 「…!」 梓がハッとした顔をする。 あたしは頬に涙を流していた。 「ごめん、冗談いきすぎた…」 …冗談? そう、冗談。 …でもさっきの梓の真剣な顔が頭の中から消えない。 冗談、のはず。 でもさっきの梓の顔のどこに冗談と書いてあった? その時あたしの胸の中に一つの疑いが浮かび上がる。