恋するレンズのむこう

『梓、すっごい優しかった』


梓が優しすぎて全然気づかなかった。
梓が病気を持って苦しんでた事


梓の苦しみも何も知らないくせに一方的に悲しんでただけだった。


『梓は強いよ…』


あたしを傷つけないように、1人で病気を抱えて苦しんでた。



『だから、きっと大丈夫』


梓…だからそう思える。


今思えば梓は本当に強くて優しい人だった。
子供みたいなあたしの事見守ってくれてた。


もし、あたしが梓みたいに病気をもっても自分1人で戦っていこうとなんて思えなかったよね。


今になってあたしの知らなかった梓が見えた気がする。



フッ-…


梓の手術室の明かりが静かに消えた。

一気に広がっていく不安と緊張につぶされそうになりながらも、あたしは立った。


陸も今にも倒れそうなくらい元気がなかったけどなんとか、立ち上がっていた。