あっと言う間の一泊旅行を終え帰路の電車の中。

佑介が真剣な面持ちで私に話して来た。

『玲子、俺…実はずっと…8年間自宅から一歩も出れなかったんだ。色々あって…』

私は佑介に言った。

『佑介、過去は誰にだってある。私にだって…。私にはとても悲しく辛い過去があるの。佑介、これから長い時間一緒なんだから、ゆっくり話そ!ね…?』
佑介は安心したように頷いた。

まだ早いわ。

まだ話させない。

話す訳にはいかない…