それを見たキルシュは青ざめました。

本当に時間がないのだと改めて思い知らされました。


「此処まで来るなんて……苦しいのに、どうしてあたしなんか探す為に……!?」


今までのハルトを見ていれば、キルシュはハルトが自分を追ってくるなんて事は考えてもいませんでした。

死期が迫っていれば自分なんかよりも家族と居る事を選びそうだと、感じていたのです。

ふらりと身をよろめかせ、明らかに無理をしているだろうハルトはその場に崩れました。

キルシュは慌ててしゃがみ込み、ハルトを自分の腕の中に抱き寄せました。


「バカだよ……本当……」


声を震わせキルシュはそう呟きました。

するとハルトは何時もより元気のない声で、ポツリポツリと言葉を口にし始めました。