「あたしは大丈夫だから。ね?」


無理して笑ってキルシュはそう言って見せました。

しかしそれでも赤ちゃんは一向に動こうとはしませんでした。

その様子に気が済んだらいなくなると思ったキルシュは、戻す事をやめました。

それから赤ちゃんが持ってきた木の実を拾い、湖で簡単に洗ってから食べました。


「うん、美味しかったよ。有難う」


さっきの無理して作った笑顔ではなく、自然と零れる笑みで赤ちゃんに言いました。

赤ちゃんも同じようにとても嬉しそうに笑いました。

気が抜けてしまったのでしょう。キルシュにどっと疲れが押し寄せました。

1時間だけ眠ろうとキルシュはその場に倒れ込み、眠りに就きました。