翌朝。何時もと変わらぬ穏やかな朝でした。

父親やシューテが驚くほどに朝食をいつもの倍近くは食べているキルシュ。

その様子は父親曰く“まるで戦場に行こうとする兵士のよう”でした。


「まあ、昨日夕食を食べなかったからねえ……」


シューテは冷静にキルシュのその様子を分析しました。

そのシューテの言葉も聞こえていないようで、キルシュはそのまま軽く身支度を整えれば、

勢い良く家を後にしました。目もちょっと腫れたけれどすぐ治ると考えながら。

気持ちは既に“ジジ様”の元へ向かう事のみでした。

到着したのは診療所。キルシュは“ジジ様”が何処にいるかは分かりません。

なのでハルトの案内に頼るしかなかったのです。