「キルシュが怒る理由がよく分からないけど……
此処にボクが来たという事は、どういう事か分かっているよね?」


オルヒデは先程までの穏やかな表情を一変させ、真剣な顔つきでキルシュに言いました。

その表情にキルシュは息を呑みました。いよいよ知る時が来たんだ、と。

キルシュは黙って頭をこくりと縦に振りました。

そしてその口を固く閉じ、覚悟を決めたかのように深呼吸をしました。


「そう。そうか……じゃあ、言おう。事実を」


オルヒデはゆっくりとキルシュと同じように、覚悟を決めたかのように話し始めました。

ハルトも2人の間に入る事なくその言葉に耳を傾けました。


「実は、ね……」


ゆっくりと淡々と告げられるその事実。

キルシュは聞けば聞く程に気分が悪くなっていくのが分かりました。