お粥の器が空になったのを見て、キルシュは冗談交じりでこんな事を言いました。


「おかわりはしたくても持って来ていないからね?
それにしてもすぐに食べちゃうなんて、もっと持ってくれば良かったかな……?」


その言葉にハルトは真顔で頷きました。

ハルトからすればまだ満腹とまではいっていないようでした。

キルシュはその様子にやや驚きながらも笑いました。


「また次の時にね!」


まだこうやって何かを作って食べてもらう機会は幾らでもある。

キルシュは不安を押しのけて、そう願わずにはいられませんでした。

ハルトもキルシュを元気付けるつもりなのか、彼女の頭を撫でました。

キルシュにとってそれは初めての事。とても心地良く感じたのでした。