オルヒデのその言葉にキルシュは図星だったようで、一気に笑顔は消えて行きました。


「やっぱり聞いていたのか。……仕方ない。今はもう時間がないから、後で全てを話す。
それまでは何をしていても良いから……ね?」


オルヒデは少し複雑そうな顔をしながらその場を後にしました。

残ったのはハルトとキルシュの2人だけでした。


「……ちょっと甘い気もする。でも嫌いじゃない」


オルヒデとキルシュのやり取りをまるで聞いていなかったかのように、

ハルトはキルシュの作ったお粥を食べていました。

キルシュはオルヒデが言う“後で”の事が不安で仕方がありませんでしたが、

軽くふっと笑うハルトを見て、その不安は何処かへ吹き飛びました。