先程の会話を聞いていなかった事を装い、

笑いながらさっとハルトの前に持ってきたお粥を差し出しました。

突然のキルシュの登場にオルヒデは酷く驚いた様子でした。


「キルシュ……まさか」
「オルヒデ叔父さんの分は残念だけどないんだ。我慢してよね」


満面の笑みを浮かべ、話題を一生懸命逸らそうとするキルシュ。


それはやや不自然にも見え、オルヒデの中でキルシュが話を聞いていた疑惑が更に色濃くなりました。


「ささっ! ちょっと冷めちゃっているかもしれないけれど、召し上がれ!」
「キルシュ、聞いていたんだろ? 隠す必要はない」
「何の事? あたしにはさっぱり……」
「だったら何でそんな不安そうな表情をする?」