フレズィーも案外いい加減な所があるんだな、とキルシュは思うよりも、

中で繰り広げられている会話が気になって仕方がありませんでした。

聞こえるのはオルヒデの言葉ばかりでハルトの言葉は一切聞こえてはきません。

彼の性格からして答えるのも嫌なんだろう。と、キルシュは思いました。


「僕は、僕に構ってくれる人が出来ただけでもう満足です。
だから僕は彼女に任せます。僕が無理に言っても多分聞きませんし」


漸く聞こえたハルトの声は淡々とした声でした。自分に何を任せるのか。

キルシュは聞けば聞くほどに頭の中のクエスチョンマークを増やしていきました。


「あの子の事だ。事実を知ったら沢山涙を流すと思う。君はもう……」


何故かこの先を聞きたくなくなったキルシュは、勢い良くドアを開け、


「おはよー! 今日はとっておきのお粥持って来たんだ。残さず食べてね?」