狐と兎

「それからそうそう、お米はお砂糖とコショウで味付けよ?」


流石のキルシュもその言葉に若干青ざめました。

今まで自分が風邪をひいた時に作って貰ったお粥は、そんな調味料が使われていたんだと。


「ちなみにお砂糖の方が多めにね。言われたとおりにやらないと、不味くなっちゃう」


お米に砂糖の時点で間違っているとキルシュは思いましたが、言いたいのを堪えました。

自分自身が作り方がうろ覚えなのです。下手にやる事は出来ません。

正直キルシュには不安が募る一方でした。まともな物が出来るのか、と。


「それから……」


シューテが説明をするのを聞きながら、お粥は徐々に形になって行きました。